1990年代のWRCは、Gr.Aラリーカーの全盛期であり、日本製ターボ車の黄金期の時代でもあった。
「2000ccターボ+4WD」という、コンパクトかつハイパワーなパワートレーンを武器に、
トヨタ、スバル、三菱といった日本車メーカー3社が台頭、2000年代のWR-Car規定に
取って替わられるまで独壇場であり続けた。
その「日本車三羽カラス」の一角であったトヨタは、チーム・ヨーロッパ(TTE、
現・GAZOO Racing Europe)の製作した「セリカ」をGr.Aラリーに投入、1988年のST165、
1990年のST185を経て、1994年に三代目となるST205のラリーカーが投入された。
「Celica GT-FOUR Rally-Car ST205」は、車体をST185から一回り拡大したことにより、
ハンドリング性能と走行安定性を向上させたほか、WRC参戦に合わせて空力特性や
冷却系の改良が施されたという。
しかし、その開発が難航したばかりか、やっとの思いで完成しても信頼性の低さが露呈した上、
'95年シーズンにはターボ関係で不正が発覚、その年のポイントを全剥奪された上で、
チームは1年間の参戦停止処分を下されたという、黒歴史的な車両となったのだった。
「グランツーリスモ」では2022ホリデーアップデートで久々の登場、
内装付の4K-HDR技術でリメイクされた。