1980年代中盤、WRCではGr.Bが隆盛を極めていたが、短期間でのパワーアップや、
それに伴う事故の多発により、いつしか「狂気の沙汰」といわれるようになった。
そんなGr.Bの発展系として「Gr.S」が検討され、それに参戦する車両として、
そのGr.S構想に、WRCに4WDを持ち込んだアウディも参戦、レーシングカー然とした
車両の開発が行われた。
車体構造はパイプフレームとし、エンジンは2.5リッター直列5気筒ターボをミッドシップ搭載、
駆動方式はMRに改められた。
しかし、1986年にGr.Bの廃止が決定されたため、開発は打ちきりとなった。