1980年代前半のレース界では、「市販車ベース」を前提としたレーシングカーが製作され、
Gr.1~4の「ツーリングカー」クラスと、Gr.5の「スーパーシルエット」クラスに分けられた。
日本で流行ったスーパーシルエットは、市販車をベースとしつつ、それとは似て非なる
コンセプトで製作されたレースカーで、車体は前後セクションをパイプフレームとしている。
そんな車体に、LZ20B型2.1リッター4気筒ターボをフロントミッドシップ搭載した
スカイラインは、元々は4気筒の「RS」をベースとしたレースカーとして、1982年に投入された。
車両製作はノバ・エンジニアリングが、運用は長谷見モータースポーツがそれぞれ担当、
そしてドライバーには長谷見昌弘が起用された。
カラーリングは赤/黒のツートンカラーで、フロントデザインは当初グリルが付いていたが、
その後「鉄仮面フェイス」に変更された。
当時の日産はツインカムターボエンジンを全面に出す戦略を採っており、
その宣伝を目的として、「スカイライン」「シルビア」「ブルーバード」といった、
3台のGr.5レースカーが製作された。