2015年の「ディーゼルゲート事件」で、フォルクスワーゲン・グループの新車開発計画は
大幅に書き替えられ、欧州にEVありきの時代をもたらした。
その事件の犠牲となった車はグループ内に数多くあり、今回紹介する「Phaeton」もその一台だ。
当時のフォルクスワーゲンブランドのフラッグシップとして開発され、
2002年にお披露目されたPhaetonは、車体にアルミモノコックを採用し、
エンジンはW12-FSIやV10-TDIといった大排気量のものが採用されていた。
生産はドレスデンにて竣工された「Die Gläserne Manufaktur(ガラス張りの工場)」にて行われたが、
売れ行きは芳しくなかったため、商品力を向上させるべく毎年のように改良を繰り返したが、
それでも売り上げは好転せず、最終的には生産が打ちきられた。
そんなPhaetonの次世代型のプロトタイプとして製作された「D2」は、
大型車用のMLBプラットフォームが採用されたもので、これを2016年に量産化する予定で
開発を進めていたが、事件の影響で開発は凍結、お蔵入りとなった。