2015年、ディーゼルゲート事件を起こしたフォルクスワーゲンは、
「I.D.(のちに「ID.」に改名)」を軸とした電動化プロジェクトを始動、
業界にBEV開発ブームをもたらした。
その電動化プロジェクトのフラッグシップとして、2017年に「I.D.R(→「ID.R」)」を製作、
翌'18年よりタイムアタック活動を開始した。
ID.Rは、いまは亡きモータースポーツ部門によって開発された電動レースカーで、
CFRPモノコックシャシーに電動モーターを前後に搭載、開発製作には250日という
短期スケジュールで行われた。
2018年のパイクスピーク参戦を皮切りに、ニュルブルクリンクやグッドウッド、
天文山で記録を残し、更なる進化が期待されたが、'20年にモータースポーツ部門は閉鎖、
ID.Rプロジェクトはわずか3年間で事業打ちきりとなった。