ブガッティはかつて、「シロン」よりも車格を落としたモデルを検討していた。
そしてそれは、フランスの量産スポーツカーメーカーへの足掛かりとなるであろう
モデルであったという。
2015年に製作された「Atrantique-Concept」は、第二次世界大戦前に生産された
量産車「Type-57」を現代的に解釈したデザインで作られたコンセプトカーで、
現代的なFR駆動のシャシーに、高級仕立てのインテリアを持った高級スポーツカーで、
あとは評価さえされればそのまま量産出来るほどの完成度を誇っていた。
しかし、出展の準備を始めた矢先に、親会社によるディーゼルゲート事件の影響で、
敢えなくお蔵入りとなった。
ラインアップはクーペ/ロードスターの2種類が、パワープラントはV8ツインターボ/
ツインモーターAWDの2種類がそれぞれ検討されていたとされ、
市販化されればブランド内での平均燃費が向上するだろうと思われただけに、
お蔵入りするには惜しい車であったことは言うまでもない。