Volkswagen EA266

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1960年代後半、当時のフォルクスワーゲンは「ビートル」の後継車の開発について模索していた。
第二次世界大戦前に基礎開発が行われた「ビートル」は、戦後には派生車種が多数生み出されるほどの
大ヒットを出したが、それに代わる車種の開発準備が遅れたことから、「ビートルの改良以外に
何もしていない」と批判された。

その批判に対する回答の一つとして、ある試作車の開発を水面下で進めていた。
それがこの「EA266」である。

EA266は、ポルシェの主導で、量産型として開発されていた。
ビートルのエンジンをリアシートの下に搭載したMR駆動のコンセプトカーで、車体を2ボックス
スタイルとし、フロントに空洞部を設けることで安全性やハンドリング性能の工場が図られているが、
一方で騒音対策や整備性に難ありといった問題があった。

それでも、多額の予算をかけて開発され、市販化寸前までこぎ着けていたが、最終的には開発が
中止となり、その後FF駆動の小型車として「ゴルフ」が開発された。

そのため、EA266は、初代ゴルフの雛形として位置づけられたのである。